老荘思想を続けます。ちっとも占技に行かないじゃないかと思われそうですが、まあ「老荘思想」と言っておいて老子に言及するだけというのもバランスが悪いですし。 荘子の紹介はいったん置いておく。さて、「老荘」と言うくらいだから、老子の思想と荘子のそれとが合致することは少なくない。しかし、留意しておかないといけない点は、思想の合致は『荘子』外篇以下であり、荘子思想の原形といわれる内篇では、その〈様相〉はずいぶんと変わります。 小島祐馬『中国思想史』によれば、 内篇に見える荘子の思想を概言すれば、非社会的、独善的であ ...